行政書士 過去問
令和7年度
問25 (行政法 問18)
問題文
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問題
行政書士試験 令和7年度 問25(行政法 問18) (訂正依頼・報告はこちら)
- 東京都建築安全条例に基づく安全認定を先行処分とする建築確認の取消訴訟において、当該安全認定について裁判所が審査できるのは、重大かつ明白な瑕疵があり無効か否かに限定される。
- 建築主事は、建築確認の申請書を受理してから一定期間内に申請者に確認済証を交付しなければならないところ、この期間経過後も交付をしないことが適法とされるのは、当該申請者がそれにつき任意に同意をしているものと明確に認められる場合に限られる。
- 建築確認は、建築工事の開始前に、当該建築物の計画が建築関係規定に適合することを公権的に判断する行為にすぎないため、建築確認に対する取消訴訟の係属中に、当該建築確認に係る建築工事が完了した場合、当該取消訴訟の訴えの利益は消滅する。
- 民間の指定確認検査機関が行った建築確認につき、その取消訴訟を提起した原告が、この訴えを、損害賠償を求める訴えに変更することの許可を申し立てる場合、変更後の訴えの被告は、当該指定確認検査機関である民間法人となる。
- 一級建築士により構造計算書に偽装が行われていた建築物の計画について、これを看過した建築主事による建築確認が国家賠償法の適用上違法となる余地はなく、当該建築確認の申請者である建築主による国家賠償請求は認められない。
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この過去問の解説 (2件)
01
建築に関わる紛争に関する、最高裁判所の判例知識を問う問題です。
判例では、先行処分(安全認定)の違法を後続処分(建築確認)の取消訴訟で主張できるとしており、裁判所が審査できるのは重大かつ明白な瑕疵があり無効か否かに限定されないため不適切な選択肢となります。
判例では、「当該申請者がそれ(確認処分の留保)につき任意に同意をしているものと認められる場合に限られる」としており、明確に認められるのではないため不適切な選択肢となります。
「訴えの利益」とは、訴訟するだけの価値があるのか?という意味です。
建築確認を取り消してくれと訴えている間に、その建物の建築工事が終わってしまったら、もはや訴訟を続けても仕方がないため正解の選択肢となります。
建築確認業務は民間業者が行ったとしても、その民間業者は国や地方公共団体などの公的機関から業務の指定を受けています。
つまり、取消訴訟を損害賠償に変更したとしても、被告は公的機関となるため不適切な選択肢となります。
判例では、建築主事が職務上通常払うべき注意をもって建築確認をしていれば構造計算書の不適合(偽装)を発見することができたにもかかわらず、その注意を怠って漫然と不適合を看過した結果、当該計画につき建築確認を行ったと認められる場合に国家賠償請求が認められるとしており不適切な選択肢となります。
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02
本問は、建築基準法に基づく「建築確認」に関連する最高裁判例において、行政法における重要論点(違法性の承継、行政指導と処分の留保、訴えの利益、国家賠償請求における被告適格、公務員の不法行為責任)を横断的に問う問題です。
妥当でない
先行処分である安全認定の違法性が、後行処分である建築確認に承継されるか(違法性の承継)が問われています。 最高裁は、東京都建築安全条例に基づく安全認定と建築確認について、「両者は結合して初めて一つの効果を発生させる」として違法性の承継を肯定しました(最判平21.12.17)。したがって、安全認定に重大かつ明白な瑕疵(無効原因)がなくても、取消事由となる違法が存在すれば、建築確認の取消訴訟においてその違法を主張することができます。「重大かつ明白な瑕疵があり無効か否かに限定される」という記載は誤りです。
妥当でない
行政指導(指導要綱の遵守など)を理由とする建築確認の留保(保留)の適法性について、最高裁は、行政指導に応じない意思を明確に表明しているにもかかわらず建築確認を留保することは違法であるとしています。しかし、留保が適法とされる要件について「申請者が任意に同意をしているものと明確に認められる場合に限られる」という記載は誤りです。。申請者の同意が明確でなくとも、協議が継続中であり、申請者が不服従の意思を真摯かつ明確に表明するに至っていないなどの事情があれば、事実上の同意(黙示の同意)として留保が適法とされる場合があります(最判昭60.7.16)。
妥当である
建築確認の取消訴訟における訴えの利益の消滅について、最高裁は、建築確認は建築工事に着手するための適法要件にすぎないため、当該建築物の建築工事が完了した場合には、仮に建築確認を取り消したとしても建物の除却などを命じる法的効果はなく、建築確認の取消しを求める訴えの利益は消滅するとしています(最判昭59.10.26)。
妥当でない
民間の指定確認検査機関がした建築確認の取消訴訟を、国家賠償請求訴訟に変更する場合の被告適格について、 指定確認検査機関がした建築確認の取消訴訟の被告は、当該機関自身(民間法人)となります。しかし、これを国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求訴訟に変更する場合、指定確認検査機関の職員は国家賠償法1条1項の「公権力の行使に当る公務員」とみなされますが、賠償責任を負う主体(被告)は、その権限を委譲した「地方公共団体(市町村や都道府県)」となります(最判平17.4.14)。「民間法人が被告」という記載は誤りです。
妥当でない
構造計算書の偽装を看過した建築主事の建築確認について、国家賠償法上の違法性について、最高裁は、建築主事が建築主自らが手配した設計者による不完全な計画に建築確認をした場合、原則として建築主に対する関係では国家賠償法上違法とはならないとしつつも、「建築主事がことさらに確認等をしたなどの特段の事情」がある場合には、例外的に違法となる余地(国家賠償請求が認められる余地)があるとしています(最判平26.10.23)。「違法となる余地はなく」という記載は誤りです。
工事完了による訴えの利益消滅、違法性の承継の可否は重要判例です。原則と例外の区別や、誰が被告になるのかといった細かい結論まで正確に押さえるように心がけてください。
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