行政書士 過去問
令和7年度
問24 (行政法 問17)

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問題

行政書士試験 令和7年度 問24(行政法 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与に関する次のア〜エの記述のうち、妥当なものの組合せはどれか。

ア  各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。
イ  各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときに、都道府県知事に対し、当該事務の処理について違反の是正のために必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることはできず、これを当該市町村に対し直接に指示することができる。
ウ  都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。
エ  各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。
  • ア・イ
  • ア・エ
  • イ・ウ
  • イ・エ
  • ウ・エ

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この過去問の解説 (2件)

01

普通地方公共団体に対する国又は都道府県の関与に関する問題ですが、大臣(国)-都道府県-市町村というタテの階層に基づく指揮命令系統をイメージすることで正誤判断は可能です。

 

ア.各大臣は、その担任する事務に関し、都道府県の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の要求をすることができる。

 

都道府県の自治事務は、あくまで法律の範囲内で遂行されることが前提であり、自治事務の処理が法令の規定に違反しているのであれば、各大臣は国の立場から都道府県に対して是正の要求をすることができるため正しいです。


イ.各大臣は、その担任する事務に関し、市町村の自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときに、都道府県知事に対し、当該事務の処理について違反の是正のために必要な措置を講ずべきことを当該市町村に求めるよう指示をすることはできず、これを当該市町村に対し直接に指示することができる。

 

→選択肢アの内容より、自治事務の処理が法令の規定に違反しているのであれば、各大臣は国の立場から都道府県知事に対して是正の指示をすることができる(市町村の上司は知事のため、大臣から市町村に直接指示することはできない)ため誤りです。


ウ.都道府県知事は、市町村長の担任する自治事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、各大臣の指示によることなく、当該市町村に対し、是正の要求をすることができる。

 

→各大臣の指示がない場合は、都道府県知事は当該市町村に対し、当該自治事務の処理について違反の是正又は改善のため必要な措置を講ずべきことを勧告することができます。(各大臣の指示がなければ要求することはできないため、誤りです)


エ.各大臣は、その所管する法律又はこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務の処理が法令の規定に違反していると認めるときは、当該都道府県に対し、是正の指示をすることができる。

 

→選択ウの内容より、各大臣から都道府県に対して是正の指示をすることができるため、正しいです。

 

以上から、妥当な組合せは「ア・エ」となります。

選択肢1. ア・イ

冒頭の解説より、妥当な組合せは「ア・」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢2. ア・エ

冒頭の解説より、妥当な組合せは「ア・エ」であるため正解の選択肢となります。

選択肢3. イ・ウ

冒頭の解説より、妥当な組合せは「」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢4. イ・エ

冒頭の解説より、妥当な組合せは「・エ」であるため不適切な選択肢となります。

選択肢5. ウ・エ

冒頭の解説より、妥当な組合せは「・エ」であるため不適切な選択肢となります。

まとめ

【補足】

 

本問は、地方自治法で規定されている「関与の法定主義」「関与の基本原則」の知識を問うものです。

 

・関与の法定主義

地方公共団体は、法律またはこれに基づく政令によるものでなければ、国又は都道府県から関与を受けることはない(国又は都道府県が地方公共団体に関与する場合、法律または政令の根拠が必要)

 

・関与の基本原則

国又は都道府県が地方公共団体に関与する場合、その関与は必要最小限とし、地方公共団体の自主性に配慮すべし

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02

本問は、地方自治法における国又は都道府県の普通地方公共団体に対する関与について、「自治事務」と「法定受託事務」の区別、および関与の階層構造(国→都道府県→市町村)の理解を問うものです。

地方分権一括法(平成12年施行)により、国と地方は「対等・協力」の関係に転換し、国や都道府県の関与には法定主義の原則がとられています。事務の性質によって認められる関与の種類・強度が異なり、自治事務には原則として弱い関与(是正の要求)、法定受託事務にはより強い関与(是正の指示)が認められます。

 

ア:各大臣は、都道府県の自治事務の処理に法令違反があると認めるとき、または著しく適正を欠き公益を害していると認めるときは、当該都道府県に対し「是正の要求」をすることができます。自治事務に対しては地方の自主性が尊重されるため、国の関与は「指示」ではなく「要求」にとどまります。

 

イ:市町村の自治事務に法令違反がある場合、各大臣は原則として都道府県知事に対し、当該市町村に是正の要求をするよう指示することができます(間接関与の原則)。各大臣が直接市町村に関与できるのは緊急時等の例外的場面に限られ、しかもその場合も「指示」ではなく「是正の要求」です。

 

ウ:都道府県知事が自らの判断(各大臣の指示によることなく)で市町村に対して是正の要求ができるのは、知事の「担任する事務に関する場合」に限られます(地方自治法第245条の5第1項)。知事が担任しない事務(各大臣のみが担任する事務など)については、各大臣からの指示(同条第3項)がなければ、知事から市町村へ是正の要求を行うことはできません。

 

エ:法定受託事務は、本来国が果たすべき役割に関わる事務を地方が処理するものであり、国の関与は自治事務より強く認められます。法令違反がある場合、各大臣は「是正の指示」をすることができ、これは是正の要求よりも拘束力が強い(具体的な内容に従う義務がある)ものです。

まとめ

「関与」は最低でも隔年で出題される論点です。「誰が、誰に、どの事務に、何ができるか」を整理しましょう。

自治事務 → 要求

法定受託事務 → 指示

国→市町村 → 都道府県経由が原則

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