行政書士 過去問
令和7年度
問23 (行政法 問16)
問題文
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問題
行政書士試験 令和7年度 問23(行政法 問16) (訂正依頼・報告はこちら)
- 議会の議決に属する事項については、軽易な事項であるか否かにかかわらず、議会が議決により知事の専決処分に委ねることはできない。
- 知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。
- 再議の結果、議決がなお法令に違反すると知事が認める場合には、内閣総理大臣に対し審査を申し立てることができる。
- 知事は、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、議決事項を専決処分とすることができるが、後に議会がこれを承認しない場合には、当該専決処分は無効となる。
- 議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができるが、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職する。
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この過去問の解説 (2件)
01
都道府県における知事と議会の関係に関する問題です。
地方自治法180条1項では、議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したものは知事において専決処分にすることができると定めています。
以上から、議決により指定された軽易な事項は知事の専決処分に委ねることができるため不適切な選択肢となります。
地方自治法176条1項では、議会の議決について異議があるときは、知事は10日以内に理由を示してこれを再議に付することができると定めています。
同条4項では、議会の議決又は選挙がその権限を超え又は法令若しくは会議規則に違反すると認めるときは、知事は理由を示してこれを再議に付し又は再選挙を行わせなければならないと定めています。
以上から、176条1項の規定が、法令に違反しないものである場合に当該議決を再議に付すことができるため正解の選択肢となります。
知事が審査を申し立てることができる相手は、内閣総理大臣ではなく総務大臣である(地方自治法176条5項)ため不適切な選択肢となります。
※なお、176条5項には市町村長が審査を申し立てる場合は知事に対してという定めもあります。併せて暗記しておきましょう。
地方自治法179条1項では、緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認める場合には、知事は議決事項を専決処分とすることができると定めています。
同条3項では、知事が次の会議において専決処分について議会に報告し、その承認を求めなければならないと定めています。
同条4項では、知事の承認を求める議案が議会で否決されたときは、知事は速やかに、当該処置に関して必要と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければならないと定めています。
以上から、専決処分を議会が承認しない場合には、当該専決処分は無効となるという規定はないため不適切な選択肢となります。
議会により不信任が議決された場合には、知事は議会を解散することができます。
議会が解散されると選挙が実施され、選挙を経て解散後初めて議会が招集された時に再度不信任が議決されると失職します。
以上から、解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職するのではないため不適切な選択肢となります。
※知事の不信任決議については、2024年9月に兵庫県議会で知事の不信任が議決され、その後、知事は議会を解散して選挙が実施されました。当時、繰り返しテレビで報道されていたため、その時の報道内容を振り返ってみると正誤判断可能ではないかと思います。
【補足】
知事の不信任決議について、知事が議会を「解散しない」こともできますが、議会を解散しない決定をした時点で知事は失職します。
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02
都道府県では、住民から直接選ばれた知事(執行機関)と議会(議決機関)が、互いに独立・対等な立場で牽制し合いながら自治体運営を行う二元代表制をとっています。本問は、この両者の関係を調整するための主要制度である専決処分(知事が議会に代わって判断する制度)、再議制度(知事が議会に再審議を求める制度)、不信任議決と議会解散について、地方自治法の条文知識を問う問題です。
妥当でない
地方自治法180条1項により、議会の権限に属する事項のうち「軽易な事項」で、議会の議決により特に指定したものについては、知事に専決処分を委任することができます(委任専決処分)。「軽易な事項であるか否かにかかわらず委ねることができない」という記載は誤りです。
妥当である
地方自治法176条1項に基づく一般再議(一般的拒否権)の規定です。知事は、条例の制定・改廃または予算に関する議決について異議があるときは、その議決の日から20日以内に理由を示して再議に付すことができます。この制度は法令違反を要件としておらず、政策的・政治的な異議でも行使可能です。
妥当でない
地方自治法176条7項により、再議後もなお法令違反と認める場合の審査申立先は、都道府県知事は総務大臣、市町村長は都道府県知事です。「内閣総理大臣」という記載は誤りです。申立先の入れ替えは試験の定番ひっかけパターンです。
妥当でない
地方自治法179条に基づく緊急専決処分について、知事は次の議会に報告し承認を求める義務がありますが、議会が不承認としても専決処分の法的効力は失われません。不承認の場合、知事は当該処分に関して必要と認める措置を講じ、議会に報告する義務を負いますが(同条4項)、処分自体は既になされた行政行為として法的安定性が保護されます。「当該専決処分は無効となる」という記載は誤りです。
妥当でない
不信任議決(議員数の2/3以上出席、出席議員の3/4以上の同意)
①10日以内に解散する場合・・・解散後初めて招集された議会で再び不信任議決(議員数の2/3以上出席、出席議員の過半数の同意)→ 議長から知事に通知 → 知事失職
②10日以内に解散しない場合・・・10日経過時点で知事は自動的に失職
「解散後初めて議会が招集された時に自動的に失職」という記載は誤りです。再度の不信任議決が必要です。解散後の新議会が知事を信任する可能性もあります。
専決処分、不信任・解散・失職・10日は頻出事項です。
「知事は、議会における議決について異議があるときは、その議決が法令に違反しないものである場合であっても、当該議決を再議に付すことができる。」について、これとは別に違法議決に対する再議(176条4項)があり、法令に違反する議決については再議に付すことが義務的とされています。両者の区別も重要です。
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