行政書士 過去問
令和7年度
問21 (行政法 問14)

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問題

行政書士試験 令和7年度 問21(行政法 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

国家賠償法に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。

(注)*失火ノ責任ニ関スル法律
  • 国又は公共団体の損害賠償の責任については、民法の規定が補充的に適用されるとされており、失火責任法*もここにいう民法に含まれるが、消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した事案は、失火責任法にいう「失火」に該当せず、失火責任法の適用はない。
  • 国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合において、当該加害公務員は、国又は公共団体に対し、各自が負う責任の度合いや資力の有無に応じて分割された求償債務を負う。
  • 市町村が設置する学校の教諭につき、当該教諭の給与を都道府県が負担する場合において、当該教諭がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に生徒に損害を与えたときは、当該教諭の給与を負担する都道府県が、国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村は、同法に基づく損害賠償責任を負わない。
  • 公の営造物の設置又は管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置又は管理に当たる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うことになるが、ここにいう設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も含まれる。
  • 国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人(被害者)に被害を生ぜしめた事案においては、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合であったとしても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が成立するためには、被害者において、当該事案における加害行為とそれを行った者を特定しなければならない。

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この過去問の解説 (1件)

01

国家賠償法に関する、最高裁判所の判例知識を問う問題です。

選択肢1. 国又は公共団体の損害賠償の責任については、民法の規定が補充的に適用されるとされており、失火責任法*もここにいう民法に含まれるが、消防署職員の消火活動が不十分なため残り火が再燃して火災が発生した事案は、失火責任法にいう「失火」に該当せず、失火責任法の適用はない。

国家賠償法4条では、国又は公共団体の損害賠償の責任については、前三条の規定によるの外、民法の規定によると定めており、判例では失火責任法が適用されるとしており不適切な選択肢となります。

選択肢2. 国又は公共団体の公権力の行使に当たる複数の公務員が、その職務を行うについて、共同して故意によって違法に他人に加えた損害につき、国又は公共団体がこれを賠償した場合において、当該加害公務員は、国又は公共団体に対し、各自が負う責任の度合いや資力の有無に応じて分割された求償債務を負う。

判例では、加害行為に及んだ複数の公務員について、国又は公共団体に対し連帯して求償債務を負うとしており不適切な選択肢となります。

選択肢3. 市町村が設置する学校の教諭につき、当該教諭の給与を都道府県が負担する場合において、当該教諭がその職務を行うについて故意又は過失によって違法に生徒に損害を与えたときは、当該教諭の給与を負担する都道府県が、国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村は、同法に基づく損害賠償責任を負わない。

判例では、都道府県は国家賠償法に基づく損害賠償の義務を負い、学校の設置主体である当該市町村に対して求償権を有するとしており不適切な選択肢となります。

選択肢4. 公の営造物の設置又は管理に瑕疵があることによる国家賠償責任につき、当該営造物の設置又は管理に当たる者とその費用の負担者とが異なるときは、その双方が責任を負うことになるが、ここにいう設置費用の負担者には、当該営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も含まれる。

判例では、公の営造物の設置費用につき法律上の負担義務を負う者のほか、この者と同等もしくはこれに近い設置費用を負担し、実質的には事業を共同して執行していると認められる一定範囲の者も国家賠償法3条1項の「公の営造物の設置費用の負担者」に含まれるとしており、正解の選択肢となります。

 

 

選択肢5. 国又は公共団体の公務員による一連の職務上の行為の過程において他人(被害者)に被害を生ぜしめた事案においては、それらの一連の行為を組成する各行為のいずれもが国又は同一の公共団体の公務員の職務上の行為にあたる場合であったとしても、国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任が成立するためには、被害者において、当該事案における加害行為とそれを行った者を特定しなければならない。

判例では、加害行為者が特定できないことを理由として損害賠償責任を免れることはできないとしており、加害行為者の特定を要件としていないため不適切な選択肢となります。

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