行政書士 過去問
令和7年度
問7 (憲法 問5)
問題文
法令の形式に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
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問題
行政書士試験 令和7年度 問7(憲法 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
法令の形式に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- 皇室典範は、皇室会議が定める規則であるが、憲法の授権により、皇位の継承や摂政など、本来は法律で定めるべき事項を規定することができる。
- 衆参各議院の規則は、会議その他の手続及び内部の規律に関する事項を広く規定しており、本会議における議事や議決の定足数、議事を非公開にするための要件などの議事に関する重要事項も、専ら各議院の規則が定めている。
- 憲法は、内閣が定める政令についてのみ、法律の委任を条件に罰則を設けることを認めているので、各省大臣が定める省令については、法律の委任によって罰則を設けることはできない。
- 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について規則を定める権限を有するが、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
- 会計検査院は、憲法上独立性が保障された機関であることから内部組織に関する自律権が認められており、その組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定される。
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この過去問の解説 (3件)
01
本問は、皇室典範、議院規則、政令・省令、最高裁判所規則、会計検査院規則について、「誰が」「何を」「どこまで」定められるかという権限についての理解を問う問題です。憲法の統治分野における頻出テーマです。
妥当でない
皇室典範は「皇室会議が定める規則」ではなく、「国会が議決する法律」です。憲法2条は「国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」と明記しています。
妥当でない
各議院の規則制定権は憲法58条2項に根拠がありますが、議事に関する重要な基本事項は憲法自体が直接規定しています。
・議事の定足数:総議員の3分の1以上(憲法56条1項)
・議決の要件:出席議員の過半数(憲法56条2項)
・秘密会の要件:出席議員の3分の2以上の多数で議決(憲法57条1項ただし書)
「専ら各議院の規則が定めている」とする記述は誤りです。
妥当でない
憲法73条6号ただし書は、内閣が定める政令について「特にその法律の委任がある場合」に罰則を設けることができると規定しています。そして国家行政組織法12条3項は、省令についても法律の委任があれば罰則を設けることができると規定しています。また、内閣府令についても同様です。さらに、地方自治法14条3項に基づき条例にも罰則を設けることが可能であり、「政令についてのみ」という記述は誤りです。
妥当である
憲法77条1項は、最高裁判所が「訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項」について規則を定める権限を有すると定めています。そして同条3項は「最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる」と明記しています。本肢はこの条文の内容をそのまま記述しています。
妥当でない
憲法90条2項は「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める」と規定しています。会計検査院が規則制定権を有するのは内部的な事項に限られ、「専ら会計検査院自身が定める規則」で全てが規定されるわけではありません。
文中に「専ら」、「のみ」 など限定表現が含まれる選択肢は、例外がないかどうかに注意が必要です。冒頭にも述べましたが、「誰が」「何を」などの語句を入れ替えて出題されることが多いです。知識を整理しましょう。
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02
法令の形式に関して問われています。
誤りです。
皇室典範は規則ではなく、憲法第2条【皇位の世襲・継承】によって定められた法律です。
誤りです。
本問の様な定めは規則ではなく、憲法で定められています。
誤りです。
政令について、法律の委任を条件に罰則を設けることを認めています。
また省令についても法律の委任があれば罰則を設けることを認めています。
正しいです。
憲法77条「最高裁判所の規則制定権」で本問の様に定められています。
誤りです。
会計検査院の組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定されているわけでなく、憲法90条「決算審査・会計検査院」で定められています。
本問は条文を中心に出題されています。
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03
各法令が、憲法上どのように定義されているかを整理します。
妥当でない
皇室典範は、国会が定めた法律です。
また、「皇位の継承や摂政」について、憲法では「皇室典範の定めるところにより」としているので、「憲法の授権により、皇位の継承や摂政など、本来は法律で定めるべき事項を規定することができる」としているところも誤りです。
日本国憲法
第2条 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。
第5条 皇室典範の定めるところにより摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。
妥当でない
「本会議における議事や議決の定足数、議事を非公開にするための要件などの議事に関する重要事項も、専ら各議院の規則が定めている」としているところが誤りであり、正しくは、憲法で定められています。
日本国憲法
第56条 両議院は、各々その総議員の三分の一以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2 両議院の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。
第57条 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の三分の二以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3 出席議員の五分の一以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。
第58条 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の三分の二以上の多数による議決を必要とする。
妥当でない
政令については、法律の委任を条件に罰則を設けることができる、と憲法で認められています。
日本国憲法
第73条 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
六 この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
省令については、罰則に関して明記した条文はありません。
しかし、省令は委任立法に該当するので、法律が定めた罰則の対象となる内容を具体的に盛り込むことで、その内容に違反した場合に、法律の罰則を適用することが可能となります。
なお、委任立法とは、立法府以外の機関が、法律の委任に基づいて立法を行うことを意味し、各省庁で作られる省令や通達類が該当します。
妥当である
憲法77条を参照してください。
妥当でない
「その組織・権限は専ら会計検査院自身が定める規則によって規定される」としているところが誤りです。
会計検査院の組織及び権限は、会計検査院法という法律で定められています。
日本国憲法
第90条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
会計検査院法
第1条 会計検査院は、内閣に対し独立の地位を有する。
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