行政書士 過去問
令和5年度
問7 (一般知識等 問53)

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問題

行政書士試験 令和5年度 問7(一般知識等 問53) (訂正依頼・報告はこちら)

日本の社会保障、社会福祉に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
  • 社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなるが、これらの財源の全額が租税でまかなわれている。
  • 第二次世界大戦後にアメリカで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされた。
  • 生活保護の給付は医療、介護、出産に限定され、生活扶助、住宅扶助は行われない。
  • 2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備された。
  • 児童手当は、18歳未満の児童本人に現金を給付する制度である。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題のポイントは、日本の社会保障、社会福祉に関する知識です。

まず社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなり、これらの財源は複数あります。

租税も財源の一部です。

 

次に第二次世界大戦後にイギリスで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされました。

この「ゆりかごから墓場まで」のフレーズは、日本の福祉制度や社会保障制度でよく用いられ、これは生まれてから死ぬまで、あらゆる段階で支援や保護が必要であるという意味があります。

 

生活保護の給付の種類は生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類があります。

 

2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備され、老人保健制度が廃止されました。

 

最後に児童手当は中学生(15歳未満)の児童を養っている人(養育者:親など)に支給される手当です。

 

以上の点をおさえて、解説をみていきましょう。

選択肢1. 社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなるが、これらの財源の全額が租税でまかなわれている。

解説の冒頭より、社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなり、これらの財源は複数あり、租税も財源の一部です。

よって、社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなるが、これらの財源の一部が租税でまかなわれているとなります。

選択肢2. 第二次世界大戦後にアメリカで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされた。

解説の冒頭より、第二次世界大戦後にイギリスで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされました。

よって、第二次世界大戦後にイギリスで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされたとなります。

選択肢3. 生活保護の給付は医療、介護、出産に限定され、生活扶助、住宅扶助は行われない。

解説の冒頭より、生活保護の給付の種類は生活扶助・教育扶助・住宅扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類があります。

よって、生活保護の給付は医療、介護、出産は勿論、生活扶助、住宅扶助も行われるとなります。

選択肢4. 2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備された。

解説の冒頭より、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備され、老人保健制度が廃止されました。

よって、2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備されたとなります。

選択肢5. 児童手当は、18歳未満の児童本人に現金を給付する制度である。

解説の冒頭より、児童手当は中学生(15歳未満)の児童を養っている人(養育者:親など)に支給される手当です。

よって、児童手当は、15歳未満の児童本人に現金を給付する制度であるとなります。

まとめ

この問題のように日本の社会保障、社会福祉に関する知識を問う問題は過去にも出題されているので、日本の社会保障、社会福祉も目を通すようにした方が良いでしょう。

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02

本問は、社会福祉に関して常識で答えられる範囲の知識を問う問題です。

知らないのは恥ずかしいくらいに思った方がよい話です。

選択肢1. 社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなるが、これらの財源の全額が租税でまかなわれている。

妥当ではありません

 

日本の社会保障制度は、「社会保険」「公的扶助」「社会福祉」「保健医療・公衆衛生」からなりますが、社会保障費の財源は租税と社会保険料があり、その割合は2024年度予算で概ね4:6程度です。
 

社会保険料というものが存在することを知っていれば、おのずと明らかですね。

選択肢2. 第二次世界大戦後にアメリカで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされた。

妥当ではありません

 

アメリカではなくイギリスです。
 

これは中学までの社会科の授業で出てくる話ではないかと思います。

選択肢3. 生活保護の給付は医療、介護、出産に限定され、生活扶助、住宅扶助は行われない。

妥当ではありません

 

生活保護の給付内容には、生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助があります。

 

生活保護は、生存権(憲法第25条第1項「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」)の保障が目的ですから、「生活」が入らないわけがありません。
憲法抜きでも常識的に「生活」できなければ話にならないことは判ると思います。そもそも名前からして「生活」保護なのですから。

また、住居がなければ住所もないのでまともな生活ができません。ならば「住宅扶助」がないというのはおかしいということも気付くでしょう。

選択肢4. 2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備された。

妥当です。よってこの肢が正解です。

 

後期高齢者医療制度は75歳以上の高齢者を対象とする医療保険制度です。

 

2008年の改正により老人保健法から名称を変更した「高齢者の医療の確保に関する法律」による制度です。

選択肢5. 児童手当は、18歳未満の児童本人に現金を給付する制度である。

妥当ではありません

 

児童手当法に基づく児童手当の給付は、児童本人ではなく、児童を養育している人に行います。

 

子供に直接給付するとただの小遣いになってしまいますね。

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03

まず、選択肢「1」「3」「5」はぱっと見で妥当であるという事がわかると思います。

問題は妥当な選択肢が「2」か「4」かという事

この段階で運任せに回答したとしても、正答率は50%

「4」は裏技で回答し、消去法で「2」が妥当であると判断できます。

選択肢1. 社会保障は主に社会保険、公的扶助、社会福祉および公衆衛生からなるが、これらの財源の全額が租税でまかなわれている。

社会保障、全額租税で賄ってくれたらいいんですが、社会保険料というものが徴収されていますよね。

この時点で「全額が租税でまかなわれている」という記述は違和感しかないわけです。

よって、本選択肢は妥当ではありません。

選択肢2. 第二次世界大戦後にアメリカで提唱された「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされた。

「ゆりかごから墓場まで」と称する福祉国家が日本のモデルとされたのは記述の通りですが、アメリカというのは違和感ありませんか。

世界各国、どのような社会福祉に係る制度があるかはその国によりますが、いわゆる大きな政府(社会福祉が充実している反面、税負担が高い)と小さな政府(社会福祉はそこそこ、税負担は軽い)がありますが、国をこの二つに分類する際、小さな政府として真っ先に思い浮かぶのは、自由の国アメリカではないでしょうか。

「ゆりかごから墓場まで」という社会福祉に係る大きなワードは社会福祉が充実している国つまり、大きな政府で生まれます。

大きな政府は税負担が多くなるというデメリットがある代わりに社会福祉を充実させるという考え方なので、ゆりかごから墓場までという言葉はそういった国から生まれ、他国のモデルとなったりします。

よって、「アメリカ」という部分が誤っており、妥当ではありません。

ちなみに、「ゆりかごから墓場まで」というワードはイギリスで提唱されました。

選択肢3. 生活保護の給付は医療、介護、出産に限定され、生活扶助、住宅扶助は行われない。

生活保護は憲法25条1項の「健康で文化的な最低限度の生活」を営むための制度なので、医療、介護、出産に係る費用が給付(公費で賄われる)されますが、それだけで健康で文化的な最低限度の生活が営めるわけではありません。

生活に必要な物(食品、日用品)も購入しなければなりませんし、そもそも住む場所がなければ話になりません。

これらの費用も公費で賄われます。

そもそも、言葉を選ばずに言えば生活保護は健康で文化的な最低限度の生活を行うためのお金をもらう制度なのに、もらえるお金の使い道が医療、介護、出産に限定されているというのは違和感しかありません。

生活費も家賃も必要です。

つまり、生活扶助と住宅扶助が行われるのです。

よって、本選択肢は妥当ではありません。

選択肢4. 2008年に、75歳以上の高齢者を対象とした後期高齢者医療制度が整備された。

後期高齢者制度については、名前くらいは聞いたことがあるかと思いますが、簡単に言うと「国民健康保険」や「健康保険」の後期高齢者版です。

では、何歳以上が対象になるか知らない人がほとんどではないでしょうか。

覚え方件現場思考での考え方です。

60歳・・・還暦

70歳・・・古希

77歳・・・喜寿

88歳・・・米寿

99歳・・・白寿

100歳・・百寿

60歳が還暦というのは分かるかと思います。

100歳が百寿はその名称の通り、99歳は百から一を引くと白なので白、88は米を分解すると八十八になるから、77も草書体にすると七十七になるからです。

では、この中で後期 高齢者は何歳からなのか。

70歳はまだ若いですよね。

でも、88歳まで後期高齢者ではないというのもあれですよね。

なので、77歳からですが、77という数字は中途半端です。

75歳です。

もちろん、これは覚え方件現場思考での考え方なので、あくまでも裏技くらいに思っておくといいでしょう。

よって、本選択肢は妥当です。

選択肢5. 児童手当は、18歳未満の児童本人に現金を給付する制度である。

解いている皆さんに聞きたいのですが、18歳未満の頃、例えば中学生、高校生の時に「児童手当」と称して国からお金もらったことありますか。

役所から直接払いに来たり、自分名義の銀行口座に振り込んでもらえたりといった経験はありますか。

ないですよね。

よって、本選択肢は妥当ではありません。

ちなみに、児童手当という制度はありますが、お金は児童を養育する人(基本的に親)に対して給付されます。

まとめ

一般知識等科目については、「政治・経済・社会・情報」という風にある程度何だ出題されるかは発表されていますが、「政治・経済・社会」というふうな表現じゃ曖昧だし、言ってしまえばこれらに関連していれば何でも出せるといっても否定できないかと思います。

もちろん、その問題に対して知識があれば回答できますが、知識がなければ現場思考で考えるしかありません。

しかし、試験委員もそこは分かっていると思います。

これは推測ですが、試験委員としては「知識があれば回答できるのは当然、行政書士試験合格して実務に出るならこれくらい知っておいてほしい。しかし、受験生といえど政治・経済・社会・情報の全てを知り尽くしているわけではない。そこで現場で見て、その場で考え、回答を導き出せるか」といったところを試したいのかと思います。

行政書士試験合格して実務に出るとなったときに「自分は専門じゃない、知らない、新人だから」というのか、分からないながらにもプロとして精一杯できるのかというのは一つ大切なポイントです。

そこで、問題を解くにあたっては「知っていたら解ける、知らなくてもどの選択肢が正解である可能性が高いか」という観点から解くといいでしょう。

過去問を解く際にもし知っている問題があったとしても「この選択肢に係る知識がなければ自分はどのように解くのか」と考えながら解くといいでしょう!

なお、どうしても分からない場合、行政書士試験の場合、選択肢2か4の場合が多いので、どうしても分からない場合の最終手段としてはこのどちらかをマークするといいでしょう。


 

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