行政書士 過去問
令和7年度
問57 (基礎知識 問11)
問題文
個人情報保護制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
(注)*個人情報の保護に関する法律
(注)*個人情報の保護に関する法律
このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。
問題
行政書士試験 令和7年度 問57(基礎知識 問11) (訂正依頼・報告はこちら)
個人情報保護制度に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
(注)*個人情報の保護に関する法律
(注)*個人情報の保護に関する法律
- 個人情報保護法*では、民間事業者への罰則として、年間の売上高に応じた額を上限とした罰金が定められている。
- 個人情報保護法には、刑事罰としての罰金以外に、制定時以来、課徴金が定められている。
- 個人情報保護委員会は、いわゆるマイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っている。
- 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める行政機関等に対しては監視を行わない。
- 個人情報保護委員会は、個人情報保護法の定める個人情報取扱事業者等に対して立入検査を行うことができる。
正解!素晴らしいです
残念...
この過去問の解説 (2件)
01
日本の個人情報保護制度は、独立した監督権限を持つ「個人情報保護委員会」により、民間事業者と行政機関等を監視する体制をとっています。
妥当でない
「年間の売上高に応じた額を上限とした罰金」としているところが誤りです。
個人情報保護法*に違反した場合の罰則については、同法8章176条~185条において、個人情報の漏えい・不正利用・命令違反・虚偽報告などの違反行為ごとに、拘禁刑・罰金・過料の上限が定められています。
妥当でない
「制定時以来、課徴金が定められている」としているところが誤りです。
個人情報保護法*に課徴金の制度はありません。
個人情報保護法*に違反した場合の罰則については、同法8章176条~185条において、個人情報の漏えい・不正利用・命令違反・虚偽報告などの違反行為ごとに、拘禁刑・罰金・過料の上限が定められています。
なお、拘禁刑・罰金は刑事罰に該当し、過料は行政罰に該当します。
また、課徴金とは、違反行為により不当に得た利益を取り上げるために課される行政上の制裁金のことです。
妥当でない
「個人情報保護委員会」としているところが誤りです。
当委員会は、マイナンバーの取扱いが適正に行われているかを監視・監督する独立性の高い機関です
マイナンバーカード(個人番号カード)の交付事務を行っているのは市町村です。
市町村長は、①交付対象者に対し、直接または地方公共団体情報システム機構(以下「機構」)・領事官・他の市町村長を経由して、交付する義務があります。
①交付対象者
・住民基本台帳に記録されている者
・国外転出者で戸籍の附票に記録されている者
なお、交付市町村長は、本人確認の措置を必ず行わなければならない、としています。
(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律17条1項)
妥当でない
「行政機関等に対しては監視を行わない」としているところが誤りです。
個人情報保護法*156条~159条では、行政機関等に対する個人情報保護委員会の権限について定めています。
以下、条文の要約です。
156条(資料提出要求及び実地調査)
委員会は行政機関等に対し、個人情報等の取扱いに関する資料の提出及び説明を求めることができる。
また、委員会の職員に実地調査をさせることができる。
157条(指導及び助言)
委員会は行政機関等における個人情報等の取扱いに対し、必要な指導や助言をすることができる。
158条(勧告)
委員会は行政機関等における個人情報等の取扱いに対し、勧告をすることができる。
159条(勧告後の報告を要求)
委員会は行政機関等に対し勧告をしたときは、改善措置について報告を求めることができる。
妥当である
個人情報保護法*146条1項では、個人情報取扱事業者等に対する個人情報保護委員会の権限について定めています。
以下、条文の要約です。
146条(報告及び立入検査)
委員会は個人情報取扱事業者等における個人情報等の取扱いに関して、必要な報告や資料の提出を求めることができる。
また、委員会の職員を個人情報等に関係する場所に立ち入らせ、取扱いについての質問をさせ、帳簿書類等を検査させることができる。
参考になった数2
この解説の修正を提案する
02
本問は、個人情報保護法の罰則制度と個人情報保護委員会の権限・所掌事務を横断的に問う問題です。令和3年のデジタル社会形成整備法による大改正(旧・行政機関個人情報保護法、旧・独立行政法人等個人情報保護法、個人情報保護法の三法一本化)は、行政書士試験において最重要論点の一つです。
妥当でない
個人情報保護法の罰金は定額上限方式で規定されています。令和2年改正(2022年4月施行)により法人に対する両罰規定として1億円以下の罰金が導入されましたが、これも定額です。「年間売上高の○%」という算定方式はEUのGDPR(一般データ保護規則)の制裁金制度の特徴であり、日本の個人情報保護法には採用されていません。
妥当でない
個人情報保護法には課徴金制度は存在しません。課徴金は独占禁止法や金融商品取引法、景品表示法などに設けられている行政上の金銭的制裁ですが、個人情報保護法には制定時(2003年)以来一度も導入されていません。将来的な導入は議論されていますが、現時点では法定されておらず、「制定時以来」という表現は二重に誤りです。
妥当でない
マイナンバーカードの交付事務は市区町村長が行います(番号利用法第17条)。実務上は地方公共団体情報システム機構(J-LIS)が発行事務を担っています。個人情報保護委員会は、マイナンバー(特定個人情報)の取扱いに関する監視・監督を行う機関であり(マイナンバー法第33条等)、カードを住民に交付する事務は所掌していません。
妥当でない
令和3年のデジタル社会形成整備法による改正(2023年4月施行)により、従来別々の法律で規律されていた民間部門・国の行政機関・独立行政法人等・地方公共団体の個人情報保護制度が個人情報保護法に一本化されました。これに伴い、個人情報保護委員会は民間事業者だけでなく、行政機関等に対しても資料提出の要求、実地調査、指導・助言、勧告を行う権限を有しています(法第156条〜第160条等)。
妥当である
個人情報保護法第153条第1項に基づき、個人情報保護委員会はその職員に、個人情報取扱事業者等の事業所その他必要な場所に立入検査をさせることができます。なお、行政機関等に対しては「立入検査」ではなく「実地調査」(法156条)という用語が使われる点にも注意が必要です。
学習ポイント
旧3法(行政機関個人情報保護法・独法等個人情報保護法・個人情報保護法)が一本化され、個人情報保護委員会が全部門の監視・監督を担うようになったことは、本問の正誤判断に直結します。「改正前はどうだったか」「改正後に何が変わったか」を対比的に整理してください。
個人情報保護委員会の権限・・・報告徴収・立入検査 → 指導・助言 → 勧告 → 命令 → 罰則。段階的に強制力は上がります。どちらが先か?という点にも注意です。
参考になった数0
この解説の修正を提案する
前の問題(問56)へ
令和7年度 問題一覧